春日大社・南宮神社:若宮社 末社
読み方
なんぐうじんじゃ
建築年
不明
※若宮社創建後、近しい時期に創建されたと伝えられています。若宮社創建は1135年(長承4年)。
建築様式(造り)
春日造
ご祭神
- 金山彦神(カナヤマヒコノカミ)
ご例祭
8月29日
南宮神社は若宮社創建のすぐ後に創られた神社
南宮神社は、春日大社の境内末社の中では規模の小さな神社です。
正確には春日大社の末社ではなく、若宮社の末社として扱われ、場所は若宮社の裏手にひっそりと建てられています。
南宮神社のすぐ左隣には兵主神社が隣接していて、2つセットのような印象を与えるのも特徴的です。
南宮神社の創建時期としては、若宮社創建のすぐ後であるとされています。若宮社の創建は平安時代、1135年です。
また1146年(久安2年)には三十八所神社、多賀神社の造立が記録されており、南宮神社の創建もこの近年であろうことが推察されます。
上の写真のように、南宮神社と兵主神社とは隣同士に建っています。
向かって左側が兵主神社、右側が南宮神社です。
南宮神社はお金のパワースポット!
南宮神社を語るにあたり、最も注目したいのは、南宮神社が「お金のパワースポット」として扱われている、ということです。
実際、パワースポット巡りが人気になったのは近年のことですが、南宮神社に関しては古代からお金や、金属に関する御利益が注目されてきた経緯があります。
ご祭神の金山彦神はお金の神様
南宮神社がお金のパワースポットと言われるのは、ひとえにご祭神である金山彦神がいかにも!「お金の神様」であると考えられているためです。
金の山と書きますから、お金の神と崇拝されるのはしごく当然でしょう。
金山彦神の出自は、伊弉冉尊(イザナミノミコト)がみまかる(=死ぬ)寸前に生んだ神様です。
伊弉冉尊は、火の神である軻遇突智(カグツチ)神を生み落とす際にやけどをして死んでしまいますが、やけどをした後、みまかる前に、苦しみの中で何柱かの神を生みました。
これらのうち、伊弉冉尊の吐瀉物から生まれた神が金山彦神です。
「かなやま」の文字は、『古事記』にも『日本書紀』にも「金山」という字が使われており、この神の神格が当初から金属に縁深いものであったことを感じさせます。
すなわち、金山彦神は鉱山を神格化したものであるとする考え方が、現在の神話解釈では一般的です。
ちなみに黄金の産出という意味で言えば、日本で初めて金を産出した金山は、陸奥国小田郡(宮城県北部)の「涌谷(わくや)」というところです。
749年(天平21年)に、大仏を鋳造中の聖武天皇へ向けて、陸奥国からおよそ13kgの金が献上され、これをもって大仏は完成し聖武天皇も大変喜ばれた……と記録されています。
『古事記』はこれよりも以前の時代、712年(和銅5年)頃に編纂されていますので、金山彦神の名前が意味する「金」は現在で言う「黄金」ではなく、銅や錫であることがわかります。
南宮神社の御利益
南宮神社の御利益は、まさに金運アップです。
お隣の、兵主神社とあわせてきわめて見落としやすい場所にありますので、お参りをくれぐれも忘れないようご注意ください。金運アップです!
南宮神社は若宮十五社めぐりの第4番納札社
南宮神社は、春日大社で行われる巡礼プログラムの1つ「若宮十五社めぐり」の、第4納札社に指定されています。
上の写真で言うと、最右列の上から3番目の御朱印が、南宮神社の御朱印です。
若宮十五社めぐりでは、若宮社の末社となっている、若宮神社周辺の小さなお社を逃すことなく巡ることができます。
金運の南宮神社はもちろん、人生の様々な局面において守護を求めることができる人気のプログラムです。
南宮神社の場所
画像は春日大社HPより
上の「若宮十五社めぐり」の地図では、4番が南宮神社です。
上の地図を見てもわかるように、南宮神社のすぐ左脇には兵主神社があり、ぱっと見ではどちらがどうと見分けがつきにくい2社となっています。向かって右側が南宮神社と覚えておきましょう。
兵主神社も南宮神社も、小高い場所にあり、各社の手前、歩道の高さには、玉串台が設置されています。
玉串台には、どちらのお社の玉串台かも書かれていますので、若宮十五社めぐり等で捧げ物をするときは、兵主神社と混同しないよう気をつけて奉納致しましょう。
南宮神社は若宮社のすぐ脇にあります。
春日大社のご本殿からは徒歩2分の距離です。
若宮十五社めぐりをする時は、兵主神社の次にお参りすることになりますが、兵主神社と南宮神社はお隣同士ですので徒歩1秒。あわせて参拝してください。
南宮神社へ参拝できる時間
- 参拝時間:24時間参拝可能
- 定休日:なし(年中無休)
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