春日大社・愛宕神社:春日大社 末社
読み方
あたごじんじゃ
建築年
不明
建築様式(造り)
春日造
ご祭神
- 火産霊神(ほむすびのかみ)
愛宕神社は元・興福寺四恩院に祀られていた興福寺ゆかりの神社
春日大社と興福寺は、明治時代に廃仏毀釈によって明確な神仏分離が行われるまで、お互いに干渉、協力を行いながら、宗教的共同体として共存していました。この関係で、神仏分離の後に興福寺に祀られていた神様(社殿)が春日大社に移転して祀られるようになった事例はいくつも存在しています。春日大社末社の愛宕神社はそんな神社のうちの1つです。
愛宕神社に関しては、元々は、興福寺の四恩院という子院に祀られていたと伝えられています。四恩院は現在既に無く、場所は現在の奈良春日野国際フォーラム近辺に存在していました。奈良春日野国際フォーラムは現在の愛宕神社から見てわずかに北西側であり、愛宕神社からは非常に近い位置にあるため、移転といっても大規模な場所移動ではなく、愛宕神社の裏を流れる水谷川の対岸に「愛宕社旧社地」の碑がひっそりと立っています。
ご祭神「火産霊神」と愛宕神社の御利益
愛宕神社は、火産霊神(ほむすびのかみ)をお祀りしています。火産霊神は、別名を迦具土神(かぐつちのかみ)とも呼ばれています。
火産霊神は、 名前のとおり炎の神様で、日本神話上では伊弉冉尊(いざなみのみこと)が火産霊神を産み落とした時、陰部にやけどを負い、死んでしまいます。伊弉冉尊の夫である伊弉諾尊(いざなぎのみこと)は火産霊神に対して大変怒り、火産霊神を殺してしまうのです。
そんな哀れとも言える伝説を持つ火産霊神は、後年、火防(ひぶせ=防火)の神として崇められるようになりました。さらに、愛宕山の山岳信仰とも結びつきを持ち、さらに神仏習合によって、地蔵菩薩と同一視されるに至りました。
したがって愛宕神社のご祭神は、防火のご利益を持つ、太郎坊天狗と地蔵菩薩と同一視された神様、ということになります。防火の他、台所、厨房の守り神とも言われています。
勝負で勝てるという御利益も!
愛宕権現の御利益の中には、勝負事に勝てる! といったものもあります。この勝負事の中には、仕事運や賭け事といったものの他に、日常のケンカも入っています。
火産霊神の御神徳の1つが「勝利」ですので、ケンカで勝負の行方が五分五分の方、夫婦ゲンカが多くてどうしても勝ちたい方などはぜひご参拝をしてみてはいかがでしょうか。
ご例祭は聖明神社と一緒に行われる
愛宕神社のご例祭は、聖明神社と一緒に7月15日、行われます。先にお祭りが行われるのが愛宕神社で、次に連続して、聖明神社のご例祭です。
愛宕神社は水谷九社めぐりの第7番納札社
愛宕神社は、2018年から春日大社で始まった参拝巡礼のプログラム、「水谷九社めぐり」の第7番納札社にあたっています。
水谷九社めぐりですべての神社に参拝するといただける御朱印は、上のような特別なものです。また水谷九社めぐりを終えた方だけの特別なお守りの授与もありますので、ぜひ参拝してみてください。
愛宕神社の場所
愛宕神社は、春日大社のご本殿から徒歩で6分ほどの場所にあります。
エリアはご本殿から北上した、水谷神社の近辺エリアとなります。水谷九社めぐりの神社は春日大社ご本殿の北に集中していますので、スムーズに巡ることができます。ぜひ水谷九社めぐりに訪れてみましょう。
愛宕神社へ参拝できる時間
- 参拝時間:24時間参拝可能
- 定休日:なし(年中無休)
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