春日大社・三輪神社|若宮十五社巡り【第2番納札所】

スポンサードリンク

春日大社・三輪神社:若宮社 末社

読み方

みわじんじゃ

別名

一童社(いちどうしゃ)/一童神社

建築年

不明

※鎌倉時代『中臣祐重記』(なかとみすけしげき)のうち、1182年(養和2年)に三輪神社についての記載があり、少なくとも1182年には存在していたことがわかっている。

建築様式(造り)

春日造

ご祭神

  • 少彦名命(スクナヒコナノミコト)
ご例祭

11月25日

三輪神社は子どもの成長を見守る神社

春日大社において、三輪神社は「子どもの成長をお守りしてくださる」神社であるとされています。

しかし、三輪神社が「一童社」と別称され、そして子どもの成長を守る……と言われていることについては深い意味がありそうです。


スポンサードリンク -Sponsored Link- 





「一童社」名前の由来は?「一童」とは何なのか

「一童社」の「一童」とは何のことなのでしょうか。「童」とは子どものことですので、「一童」とは「一人の子ども」……そして「初めの子ども」という意味も持っている言葉です。

では、「初めの子ども」とは、誰と誰との初めの子どもなのか。

日本神話にお詳しい方でしたら思い当たることがあるかもしれませんね。

その答えは、三輪神社のご祭神が一体誰なのかに隠されていそうです。

三輪神社のご祭神は「えびす様」?

春日大社にある、若宮社の末社「三輪神社」のご祭神は、「少彦名神」という神様です。少彦名神は、大国主命が日本の国造りをした時に、大国主命の義兄弟となり、協力して国造りを行ったと伝えられています。

全国に「三輪神社」という神社はたくさんあります。その中で多くの神社がご祭神としているのが「大国主」もしくは「大物主」という神で、この2つは名前は違えど、同じ神のことを指しています。少彦名神は大国主(=大物主)の補助者として海の彼方からやってきた、そして義兄弟となったと伝えられます。では少彦名神はどこから来たのか?

日本神話をさかのぼってみましょう。伊弉諾尊(イザナギノミコト)と伊弉冉尊(イザナミノミコト)が国生みを行った際に「一人目の子どもを海に捨てた」という記録があります。イザナギとイザナミは子作りの手順を間違ったために不完全な子どもが生まれてしまい、どうすることもできずそれを海に捨てた(ひどい……)。しかし、捨てたがその子どもに名はつけておいた。この時、海に捨てられた「最初の子ども」が「蛭子(ひるこ)」つまり「えびす」です。そう、今現在、「えびす様!」と信仰されているあの方ですね!(ご立派になって……!! じいは嬉しいですぞ)

と、このような経緯があるため、海の向こうからやってきて大物主を手助けした神「少彦名神」は「えびす」であるとする説が通るようになりました。つまり「一童社」名前の由来は、「初めの子ども=えびす」であることを指している可能性が高いでしょう。

なおえびす神については諸説あります。大国主(=大物主)の子どもの一人に「事代主神(コトシロヌシノカミ)という神がいますが、この神がえびすだとする説もあります。

ちなみに、一童社という名称の神社も全国に複数存在しています。有名なものは石清水八幡宮の一童社で、ご祭神は「磯良神(イソラ)」と言い、やはり海の神です。

広島の吉備津神社にも、一童社という摂社がありますが、こちらは菅原道真公と天鈿女命(アメノウズメノミコト)という、学問と芸能の神様をお祀りしており、一見して海神とは全くご縁がないように見受けられます。しかし江戸時代の怪異小説、上田秋成の『雨月物語』には、吉備津神社の神主の娘「磯良」が夫の不義理に悩み取り殺す「吉備津の釜」というストーリーが残されており、「一童社と海」との切っても切れない関係を感じさせます。なお2000年に公開されたホラー映画『ISORA』も題材の一部として「吉備津の釜」を取り上げています……。


スポンサードリンク -Sponsored Link- 





三輪神社の御利益

だんだん怖い話になってしまいましたがそれは置いておくとして、三輪神社の御利益としては、やはり子育てに関する御利益が外せません。子どもが心身共に健康に育つよう、三輪神社の神様がお守りくださるでしょう。

また、三輪神社の御利益の中には子孫繁栄といったものも含まれています。いわゆる子宝祈願の神社としても頼れる存在になるのではないでしょうか。

子どもが健やかに育つこと、また子孫繁栄に御利益をもたらすのは、やはり三輪神社の神様が日本で一番最初に生まれた子どもであり、そして生まれた時は体が弱く、後にみんなから信仰されるたくましい神様に育った「えびす様」だからかもしれませんね。

三輪神社は若宮十五社めぐりの第2番納札社

三輪神社は、春日大社で行われる巡礼プログラムの1つ「若宮十五社めぐり」の、第2番納札社に指定されています。最初に若宮神社をお参りし、次に訪れる神社がこの三輪神社です。

上の写真では、一番右上にある朱印が三輪神社のものです。若宮十五社めぐりでは、若宮社の周辺に展開する春日大社の摂社、末社をスムーズに巡ることができ、御利益も人生全般と言えるほど幅広い御利益をいただけます。ぜひ若宮十五社めぐりに訪れてみましょう。

三輪神社の場所

 画像は春日大社HPより

三輪神社は、若宮神社のわずか北側に位置しています。

春日大社のご本殿から参拝に回るなら、徒歩わずか2分の距離ですが、それよりも若宮十五社めぐりを行い、若宮神社の次にご参拝することのほうが多いかもしれません。その場合は、若宮神社からは徒歩1分かかるか、かからないかという近場ですぐに訪れることができます。

スポンサードリンク -Sponsored Link-



当サイトの内容には一部、専門性のある掲載があり、これらは信頼できる情報源を複数参照し確かな情報を掲載しているつもりです。 また、閲覧者様に予告なく内容を変更することがありますのでご了承下さい。